子どもの食物アレルギーが分かってから、今まで当たり前にできていた外食や買い物が、一気に“気を張る時間”へと変わりました。
どちらも毎日の生活の中では欠かせないものですが、実際に向き合ってみると、想像以上に気を遣う場面がたくさんありました。家での食事であればある程度コントロールできますが、一歩外に出ると、確認しなければならないことが一気に増えます。
最初の頃は、「普通に外食すること」や「いつものように買い物すること」が、こんなにも難しくなるとは思っていませんでした。それでも、試行錯誤を重ねながら、少しずつわが家なりのやり方を見つけてきました。
外食でまず感じたのは、「食べられるメニューが本当に少ない」ということでした。
お店では原材料が細かく分からないことも多く、少しでも不安があると選ぶことができません。「たぶん大丈夫かな」で済ませることができないのが、食物アレルギーの難しいところです。
そのため、毎回店員さんに確認する必要があり、これが思っていた以上に気を遣いました。
混雑している時間帯だと申し訳ない気持ちになったり、詳しく確認してもらうために厨房へ聞きに行ってもらったり…。こちらも慎重になりますし、店員さんも困ってしまうことがあり、お互いに気を遣う場面が少なくありませんでした。
特に困ったのが、“見えないところ”に使われている卵です。
揚げ物の衣、ハンバーグのつなぎ、パン、麺類、デザートなど、「こんなところにも入っているの?」と驚くことが本当に多くありました。
見た目では分からないので、確認しないと安心できません。結果的に避けるメニューがどんどん増えていき、「食べられるものを探す」というより、「食べられないものを避ける」という感覚に近くなっていました。
そうなると、どうしても「ごはん」や「うどん」など、安心して食べられる限られたメニューに頼りがちになります。
もちろん、安心して食べられることは何より大切です。ただ、毎回似たような内容になってしまい、「またこれか…」となってしまうこともありました。
周りの子どもたちが楽しそうにハンバーグやオムライス、デザートを食べている中で、同じものを選べない場面も多く、親として切なく感じることもありました。
また、旅行先や初めて入るお店では、事前に情報が分からないことも多く、外食そのものを避けたくなる時期もありました。
「もし何かあったらどうしよう」
その不安が常に頭のどこかにあり、食事を楽しむというより、“安全確認”に集中していたように思います。
買い物もまた、一筋縄ではいきませんでした。
まず大変なのが、原材料表示のチェックです。
アレルギー表示が分かりやすくまとめられている商品は助かりますが、そうでない場合は細かな原材料まで一つひとつ確認しなければなりません。
最初の頃は、スーパーへ行くだけでかなり時間がかかっていました。
今まで何気なく買っていた商品も、すべて確認が必要になります。「卵」「全卵」「卵黄」「卵白」だけでなく、加工された表示もあるため、慣れるまでは本当に大変でした。
さらに、「卵不使用」と書かれていても、完全に安心できないこともありました。
体調や状況によるのか、わが子には合わないこともあり、「表示だけでは分からない難しさ」を感じることもありました。
また、「同じメーカーだから安心」と思い込めないのも大変なところです。
シリーズ商品でも、一部だけ原材料が違ったり、期間限定商品で内容が変わっていたりすることがあります。
そして意外と困るのが、商品のリニューアルです。
「いつも大丈夫だったから」と思って購入しても、急に原材料が変わっていることがあります。そのため、慣れた商品でも毎回確認することが欠かせません。
実際に、パッケージが少し変わっていることに気づき、確認してみたら原材料も変更されていた…ということもありました。
この経験から、「前に大丈夫だった」は絶対ではないことを強く感じました。
また、店舗によって品ぞろえが違うのも悩みのひとつでした。
安心して買える商品が限られているため、「今日はあの商品があるかな」と、その時々で状況が変わってしまうことも少なくありません。
特に、アレルギー対応の商品は取り扱いが少ないこともあり、いつも置いてあるとは限りません。
せっかく見つけた“食べられるもの”が突然なくなってしまうと、本当に困ってしまいます。
わが家では、とにかく「食べられるものを持参する」ことを基本にしていました。
事前に安心して食べられるフードを準備しておくだけで、外食へのハードルはぐっと下がります。
「食べられるものがなかったらどうしよう」という不安が減るだけで、親の気持ちもかなり楽になりました。
また、大人の食事の中に食べられそうなものがあれば、少しだけ“つまみ食い”をさせて、外食の雰囲気そのものを楽しめるようにもしていました。
「みんなで同じ場所で食事をする」という時間を大切にしたかったのです。
食べられる量は少なくても、「一緒に食卓を囲めた」という経験は、子どもにとっても大切な思い出になっているように感じます。
原材料チェックの大変さや不安があるからこそ、「使えるものはストックしておく」がわが家の基本になりました。
卵が使われていないと分かった商品は、見つけたタイミングでしっかり購入。
お気に入りの商品があると、それだけで安心感がかなり違います。
また、買い物をするお店もある程度固定し、「ここならこれが買える」という安心感を持てるようにしていました。
店員さんに商品の場所を聞かなくても済みますし、慣れた売り場のほうが確認もしやすく、負担が少なく感じます。
そうすることで、毎回ゼロから探す負担も少し軽くなったように感じます。
外食や買い物は毎日のことだからこそ、負担も大きくなりがちです。
周りから見ると小さなことに見えるかもしれませんが、一つひとつ確認しながら生活するのは、思っている以上に神経を使います。
それでも、少しずつ「これなら大丈夫」というパターンが見えてくると、気持ちにも余裕が生まれてきました。
完璧に頑張ろうとしすぎず、「無理をしない」「安心を優先する」ことも大切なのだと感じています。
まだまだ、イベントごとや日常生活の中で困ることはたくさんあります。
これからも、実際に感じたことや工夫してきたことを、少しずつお伝えしていけたらと思っています。
同じように悩んでいる方へ。
無理をしすぎず、自分たちのペースで、一緒に乗り越えていきましょう。
次回は、保育園やイベントごとで感じた悩みについても、少しずつ書いていけたらと思っています。